FT-101Z用オーディオフィルター設計製作

FT-101Z用オーディオフィルター設計と製作

以前から使ってみたいと妄想していたスイッチキャパシタ方式のLPF(以下SCLPF)を製作してみました。写真はSCLPFバラックセットとAFユニットを組み合わせ動作確認様子
2015.4.12

はじめに
　FT-101Zには、混信対策として、IF BW可変フィルター、オーディオピークフィルタ(以下APF)、オーディオノッチ(ANF)と簡単なAF LPFが実装されています。実際に聴いてみると次のような改善点がみえてきます。

APFはCWモードには効果的だが、復調トーンにリンギングが目立つようになる。
ANFはSSB/CWモードのいずれにおいてもあまり効果が感じられない、但し外部よりシングルトーンを入力して確認するとそれなりにノッチ特性は出ているが実QRMに対しては効果なし。どうもノッチの帯域が狭すぎるようです。
SSBモード時、近接周波数からのQRM対策としてIF段のBW可変があるが、BW可変により音質が極端に劣化する。

　以上の対策として、以前CQ誌にも出ていたSCLPFを実験したところ大変効果があり、今回の受信機にも盛り込むことにしました。AFユニットには追加スペースが無く、外付け基板としてAF2ユニットを新規に製作しました。
　　

AF2ユニット目標仕様
　　

　あらたに盛り込む機能、仕様として、以下の仕様を検討します。左図ブロック図参照

AF PWR IC用18Vレギュレーター回路、8Vレギュレーター回路内蔵。
外部AF INと内部AF IN選択。外付けにSDRを予定しています、SDRからのオーディオ信号と本体の受信信号を選択できるようにします。
MUTE回路の追加、今のところ用途を明確に決めていませんが、予備的な回路として盛り込んでおきます。
SCLPFの追加、カットオフ周波数は0.5～5kHz程度可変とします。SCLPFのON/OFF回路は特に設けず、使わない時は5kHz程度にしておきます。
SPラインのLPF回路を盛り込みます。

組み立て

　左写真はAF2組み立ての様子。本体への実装はオリジナルのRECT Aユニットの跡地に実装、AC入力に近いのでハム混入が心配ですが、全体動作の中で検討していきます。
　AC入力はJO1LZXさんのHPを参考にしてラインフィルターを実装して「お気に入り送信機とペア」になるようにしました。

フィルター特性確認
　　

　左図はSCLPFクロック周波数設定用パリキャップのバイアスを変化させたときの周波数特性。バイアス1V時はCWモードでの使用を考えています、目的信号と QRM信号の周波数差は50Hz程度あればほぼ完全にQRM信号をカットします。QRM信号が目的周波数より低いトーンの場合はCWリバース回路(別途追加予定)により分離することが可能です。APF使用時のリンギングも感じられずなかなか使い勝手も良さそうです。
　バイアス5V時ではSSBモードのQRM信号カットに有効で、隣接周波数からの「シャカシャカ音QRM」は完全にカットできます。

回路
　SCLPFにはMAX294を使用、以前に無償サンプル依頼で入手したものです。本ICはクロック発振回路を内蔵していますので、パリキャップを使うことでカットオフ周波数を可変できるので使いやすいICと思います。
　AF切り替えにはトランジスターをアナログSWとして使います、少ない回路数の場合便利な回路です。
　

IFフィルター追加改造へ

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